良かった作品 2022
2022-01-22
# 良かった作品

2022年のよかった作品をまとめました。全36作品。

# 漫画

各作品の試し読みリンクを張っています。

私立浜茄子中高等学校男子寮の戸惑い

https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM05200607010000_68/

男子校に一人混じった男装女子である八坂くんが、女子だとバレないように立ち回ったり、男子校のきっついノリに普通に引いたり、えっちな話題にはちょっと興味があったり、なんだかんだ一緒にバカをやったりする男子校コメディ漫画。とにかく八坂くんが可愛い漫画だった。全2巻完結済み。

あことバンビ

https://www.pixiv.net/artworks/79087212

pixivなどで全話公開されているweb漫画。

主人公の小鹿悠は、みんなと一緒に同じことをするのがなんとなくダメになったという理由で高校を中退し、趣味として続けていた小説を書く仕事に就く。一人暮らしをするために家賃が安い幽霊物件に入居したところ、女子高生の幽霊が部屋に現れて......。という導入。

ジャンルとしては群像劇・恋愛・日常系あたりで、シンプルで分かりやすい話をやっており、とても読みやすい。主人公の部屋から始まり、ヒロイン(幽霊)と出会い、そこを始点として物語が広がっていく。新たな関係性が生まれることで、少しずつゆっくりと世界が広がっていく感じが良い。

作品の雰囲気としては、冬の夜明け前のような、どこか薄暗い雰囲気が垣間見える、寂しげな感じが通底している。pixivのコメント欄にあった、雨の日に読みたい漫画、というのが妙にしっくりきた。そんな雰囲気のなか、ストレートな異種間ボーイミーツガールをやっている。

両片思いかつ同居していて、すこしずつ関係性は進展していって、でも互いが互いを慮るゆえに一旦立ち止まったりして、一歩進んで二歩下がったり、そして三歩進んだり。少しずつ大切な存在になっていく過程、そのグラデーション。もう混じりっけなしでピュアな感じの恋愛描写なんですが、結局これが一番なんだよな~と思った。

本当に良い漫画で、優しい物語だった。本棚に置きたい。

関連:『あことバンビ』感想

その着せ替え人形は恋をする

https://magazine.jp.square-enix.com/yg/tachiyomi/sonobisque_01/#p001

光属性のコスプレ漫画。際どい衣装を着たりして結構えっちな描写が多いのだけど、なんというか健康的な描写で、嫌さみたいなのは無かった。 好きなことを、とことん突き詰める。どんなことでも、他の人から後ろ指をさされるようなことでも、まっすぐに楽しめる人って素敵だよねという漫画。

カナカナ

https://www.sunday-webry.com/episode/3269754496551508085

心が読める少女がまっすぐで裏表のないヤンキー面の男と暮らす話。『今日から俺は』の西森先生が描く新機軸の西森漫画で、相も変わらず格好良さがばっちり決まっている。心が読めるゆえ内心はかなり大人びているカナカちゃんが周りの期待にこたえて子供ロールプレイする感じも面白い。とはいいつつも年相応な面もあったりしてその可愛さは無敵。構図的によつばと的な良さもあり、日常モノとしても強かった。

リボーンの棋士

https://spi.tameshiyo.me/REBOR01SPI

奨励会でプロになれるのは2割。あとの8割は26歳で世間に放り出される。狭い世界で将棋しかやってなかった人間にできることなんて多くなく、そこにいるのはただ将棋の強いフリーター。心機一転して第二の人生を歩もうとするも、それはまるで呪いのように、つい将棋のことを考えてしまい。奨励会から年齢制限で振り落とされた男の再起物語。  

オタクに優しいギャルはいない!?

https://comic-zenon.com/episode/3269754496560134267

いわゆるテンプレになりつつある設定を丁寧に丁寧にやる作品。オタクに優しいギャル一本でやっていくぞという、ある種の潔さがカッコいい。

ギャル側のオタク君への態度も、全肯定するとかそういうのではなく、ちょっと気になる存在だな...くらいに留めているのも上手い。でもこれくらいの距離感が一番嬉しかったりするんですよね。こんな理想の世界があってもいい。

アオのハコ

https://shonenjumpplus.com/episode/3269632237320695015

週刊少年ジャンプ連載の王道青春スポーツ恋愛もの。憧れの先輩と腐れ縁の幼馴染のダブルヒロイン体制。一番いいやつです。

幼馴染ポジションである蝶野雛さんがあまりにもサブヒロインとして理想的で、いままでは友達だったのに、ふとした瞬間に相手を意識してしまって、恋には無自覚な感じなんだけど、目で追ってしまうようになって。このグラデーションの美しさ、友達以上恋人未満の関係性、これが最高なんですね。

ガクサン

https://comic-days.com/episode/3269754496624186649

参考書の出版社を舞台にしたお仕事コメディ。参考書そのものの魅力はもちろん、職業モノとしても楽しく読めた。夢中になれるものが無いことに劣等感を感じていた主人公が、仕事に面白さを見出していく過程が良い。

右も左も分からない中途入社の女性主人公(割とポジティブ)と偏屈参考書オタクの長身男というバディもかなり好きなやつだったので良かった。

さよなら絵梨

https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496858728104

藤本タツキの新作読み切り。面白かった。読み返すたびに発見があり、いろんな解釈ができる漫画だと思った。初読時はラストで?になったけど、何度か読み返してメタ構造を把握すると、爆発オチ以外にないなという気がしてくる。

いろんな人の感想を読んで、あーこういう解釈もできるよなーと気づいたり。本当に人によってどう感じるかは千差万別のようで、感想を読むのが楽しい。時間が経ってから読み直したら、また別の感想が生まれそうな感じがある。

個人的に一番刺さったのは、なんのために記録を残すか、みたいなところで、美しい思い出として残すことについて作中で語られていたけど、この毎月の良かった作品という記録も言ってしまえば同じようなモノで、どう思い出すかは、自分がどう文字に残すか次第なんだよなと思ったり。

記録することの一つの側面というか、自分がこういう記録を残しているのは、あとあと読み返したときに、あーこの時の自分はこういう風に感じていたのか、みたいに浸れるのが好きというか、そういう目的もあったりしたので、なんというか、これからもこういう記録は続けていこうと思った。

ゲーミングうちゅうじん

https://www.pixiv.net/user/245189/series/92968

気まぐれでプレイしてみた格闘ゲームで軽く捻られた最強宇宙人が顔真っ赤になりながら格ゲーにのめり込んでいくウェブ漫画。アメコミっぽい画風がとても良い。

どうしたら強くなれるのか。二度とあいつに負けたくないという、歯を食いしばるほどの悔しさ。それを熱に転換して、ひたすらに研鑽に費やす過程。新たな技を発見したときの衝撃。格ゲーに夢中になり、全力で楽しんでいる姿に目頭が熱くなる。格ゲーのいろはを丁寧に一から解説している漫画になっているのもすごい。魂を感じる漫画だった。

彼方のアストラ

https://shonenjumpplus.com/episode/10833497643049550210

ジャンプ的な作風で宇宙冒険SFをやる漫画。5巻完結済み。いわゆる仕掛けがあるタイプの漫画で、終盤の展開には痺れた。かなり面白かったです。

バラバラだった仲間がいろんなトラブルを乗り越えて成長して仲良くなっていく過程をしっかり描いて、キャラを掘り下げることが終盤の展開に効いてくる。キャラも良く、幼馴染組が特に好きでした。

これ描いて死ね

https://gekkansunday.net/work/4740/

離島の高校を舞台にした学園部活もの。或いは漫画描きの漫画。

漫画が好きなんだという叫びが聞こえてくるような作品だった。漫画に救われた人間、漫画に苦しめられた人間、自分の描いた漫画が目の前の人間にぶっ刺さっていたことに心を動かされてしまった人間。作者と読者の両視点を交互に描いているのが良い。好きなものに向かって全力で取り組む姿。漫画って良いもんですね。

あらくれお嬢様はもんもんしている

https://comic-days.com/episode/10834108156636827831

自制心が強すぎる堅物風紀委員の男にエッチな誘惑を試みるんだけど全然効かなくて目ぐるぐるにしながら暴走しがちなあらくれお嬢様が可愛いラブコメ漫画。

お嬢様のアプローチはたいてい失敗して、関係性としては全然進展しない。だからこそちょっと進展した瞬間の破壊力がすごい。素直にアタックしたらちゃんと効くのが最高なんですね。

葬送のフリーレン

https://www.sunday-webry.com/episode/3269754496548997914

長生きなエルフが魔王討伐後の世界を旅する後日譚ファンタジー。

読んでいてまず思ったのは、雰囲気が良い。この不思議な心地よさはなんだろう。良い意味で単調というか、静かで落ち着いた面白さがあった。最初は後ろ向きな懐古の物語という印象だったけど、仲間が増えていくにつれ、徐々に2周目の冒険譚がメインになっていく。試験編からはまた違った角度の面白さが加わり、一気に読んでしまった。

春あかね高校定時制夜間部

https://web-ace.jp/youngaceup/contents/1000204/episode/6497/

「春あかね高校だより」によると夜間部の生徒の実に40%以上が中学校で90日以上の不登校を経験しているそうだ

夜間の定時制高校を舞台とした学園群像劇。年齢もバラバラで、色んなタイプの人がいる学校生活。そんな世界をちょっと覗き見しているような作品。

前作「ご飯は私を裏切らない」でも感じたのだけど、この人の作品には、こう、心地よい前向きさというか、ポジティブさがある。なにが普通かなんて気にしなくてもよくて、好きに生きていきましょう、みたいな。こういう視座で描かれる日常漫画が大好き。

クロシオカレント

https://www.kadokawa.co.jp/product/322205000863/

不可思議世界観な日常漫画。よく分からないけど何だか面白い、胡乱な楽しさがある作品だった。好き勝手やってる感じがサイコーです。

ウィッチウォッチ

https://www.shonenjump.com/j/rensai/witch.html

ジャンプ連載中の日常コメディ漫画。雰囲気は同作者の「SKET DANCE」に近い。ギャグの絶妙~な面白さ、ヒロインの純朴な可愛さ。こういう漫画はいくらあってもよい。

ぎなた式

https://shonenjumpplus.com/episode/10833497643049550329

なぎなたは一般に女性の武道とされており、男性の競技者はほとんどいない。それでもなぎなたを手に取った2人の男子高校生の話。1巻完結。

ジャンププラスの読み切り『静と弁慶』もとても良かった。

悪魔のメムメムちゃん

https://shonenjumpplus.com/episode/10833497643049550397

二頭身のちんちくりんな悪魔が人間の魂を取ろうとあれこれやったりする日常系のギャグ漫画。悪魔のメムメムちゃんは、とにかく魂を取る能力が無く、仕事なんてせずに遊んで暮らしたいと望む。クソ雑魚弱気属性っぽい見た目から調子乗りクソガキムーブをしてくるやつ、想定外のツボを押されている感じがあった。

この漫画は全12巻で完結しているんですが、縦軸になるストーリー的なものもちゃんとあり、最終巻がとても良かった。登場人物が勢揃いして最終決戦!からの大団円みたいなやつ、最近見てなかったけど、やっぱりめちゃくちゃ良いですね......になりました。

月出づる街の人々

https://reader.futabasha.co.jp/s?cid=97845754402630000002

透明人間、狼男、ドラキュラ、メドゥーサ、ナーガ、ミイラ男、フランケン。異なるモンスターの少年少女たちの群像劇。傍から見たら些細な問題かもしれないけど、でも本人たちからしたら重要なことで、みたいなお話をやっている。ファンタジー要素がある生活描写が読んでいて楽しい。心温まる雰囲気がある漫画で、優しい絵柄もとても良かった。


# 小説

ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2

https://www.amazon.co.jp/dp/B09RZ78NSW

今作も良かった。シリーズ化しそうなのが嬉しい。

宇宙SF百合ってなんでこんなに良いんでしょうかね。自由をやっているからかもしれない。抑圧からの解放。常識なんて、慣習なんて知ったことかと、たった2人で宇宙に飛び出していく最後が爽快なんですよ。

オーラリメイカー

https://www.amazon.co.jp/dp/B081H6SMY7

とある恒星系で、惑星軌道が操作されている痕跡が見つかる。謎に包まれた星系儀製作者《オーラリメイカー》の正体を探しに行くところから始まるSF小説。

宇宙における上位存在とは、知性とは、生存戦略とは。これぞSFという感じで楽しく読めた。ラストシーンがかなり好きで、読後感も良かった。

七つの海を照らす星 / アルバトロスは羽ばたかない

https://www.amazon.co.jp/dp/4488024378

児童養護施設を舞台としたミステリー小説。文章はラノベっぽくて読みやすい。そして特筆すべきは伏線回収。かなりデカい「そういうことか~~~!」が出た。この点と点が線で繋がる瞬間が最高なんですね。


# アニメ

リコリス・リコイル

https://lycoris-recoil.com/

可愛い女の子たちが派手にガンアクションをしつつ関係性をやるアニメ。細かいツッコミどころをノリと勢いで吹き飛ばしていくような作品だった。

いつも笑顔で元気な天才肌の先輩とクールで忠犬な後輩が相棒になるまでの話をやっている。この二人の関係性が本当に良く、自分はもう二次創作小説を日々読み漁っています。

感想記事 => 『リコリス・リコイル』感想

Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-

https://diy-anime.com/

幼馴染百合に惹かれて見始めたら、近年で一番好きなアニメ作品になってしまった。

日常系・百合・ものづくり、好きなものが全部ありました。お話としては王道の学校部活もので、廃部の危機にあるDIY部に一人ずつ部員が集まっていくところから始まる。どこか周りに馴染めない者たちが、居場所を見つけて、一緒にものを作る楽しさを知って...という流れを丁寧に描く。

アニメで動かしやすいシンプルな線のキャラデザ。それを存分に生かしたアニメーション作画が素晴らしい。細かいカットに制作陣のこだわりを感じるとき、アニメを見ていて良かったと思う。

シーンによって(描く人によって)キャラの顔がわりと違っているのがとても良くて。毎週のように今回のせるふちゃん、いつもより可愛いな...と思っていた気がする。いろんな人の描くキャラクターが見られて嬉しい。なんというかこう、それぞれのアニメーターの個性を残している感じというか、人の手で描かれた手作り感みたいなものがあり、DIYというアニメのテーマにも合っている気がしてすごく良いなと思った。

感想記事 => 『Do It Yourself!!』感想

ぼっち・ざ・ろっく

https://bocchi.rocks/

4話あたりでおっ...?となり、8話で完全に心掴まれた感じがあります。めちゃくちゃ良いアニメでした。虹夏ちゃんが好きです。結束バンドのアルバムをめちゃくちゃ聴いている。


# 映画

ショーシャンクの空に

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00GKE4SK8

とても面白かった。結構昔の映画なんですが、色褪せない良さがあるように感じた。特にラストシーンが本当に綺麗で、こういう余韻が残るような終わり方が好きなんだよな~になった。

NOPE

https://nope-movie.jp/

ホラーサスペンスな味付けのスペクタクルSF映画。めっちゃ面白かった。本当に怖いのって、これから怖いことが起こりそうな雰囲気なんだなと思った。

四畳半タイムマシンブルース

https://yojohan-timemachine.asmik-ace.co.jp/

『四畳半神話大系』と『サマータイムマシン・ブルース』のコラボレーション映画。四畳半のオンボロ宿で過ごす、京都の胡乱な大学生活。突如現れたタイムマシンが起点となり始まるてんやわんやな大騒動。

既存ファンのための作品みたいなところがあり、自分はどちらも大好きな作品だったので、もう全てが最高でした。アジカンの主題歌も良いのだ。

THE FIRST SLAM DUNK

https://slamdunk-movie.jp/

スラムダンクの映画。キャラの回想を挟みつつ、山王戦の試合を描く。監督は原作者の井上雄彦先生ということもあり、各所にこだわりが見られる作品だった。

内容もとにかく良かったです。原作ファンは絶対に観たほうがいいと思う。5回くらい涙が出ました。あのOPはあまりにも最高。


# ゲーム

十三機兵防衛圏

https://13sar.jp/

13人の少年少女による群像劇アドベンチャー + タワーディフェンスの2つを軸としたゲーム。ついに Switch で発売されたので、毎日少しずつ遊んでいました。

13人の主人公の話をそれぞれ読んでいくんですが、最初はまあよく分かりません。急に巨大怪獣が襲ってきて、機兵に乗って戦うことになって...。世界も謎だらけで、本当に何も分からないんですが、分からないなりにちゃんと面白いのが体験として良かった。何がどうなってんの!?が楽しさに繋がるのは結構新しい感覚だったかも。

実際、話はかなりややこしいです。登場人物は多く、時系列はシャッフルして語られる。何人かの登場人物は終盤まで真の目的が隠されていたりする。世界の謎が隠されているのはいいとして、行動原理が分からないのは感情移入がしにくく戸惑う部分もあったり。

キャラが本当に良かっただけに、SF要素の説明パートに押されて日常描写が少なかったことが悔やまれる。三浦とナツノさんが特に好きだった。あと東雲先輩。あの腕を押さえながらの走りモーションがとてもかわいい。

なんというか、全体を通してノスタルジーを感じるゲームだった。SFっぽい見た目に反して、あまり新しいことはしていない。既存のさまざまな作品からのオマージュを取り入れつつ、それをうまくミックスしている感じ。

プレイ時間は35時間くらいでした。いや~、面白かった。

OMORI

https://www.omori-game.com/ja

ひきこもりの少年が主人公のホラーRPG。面白かった。

ゲームでやることとしては、おつかい的なクエストを受けたり、ちょっとした謎解きをしたり、ステージボスと対戦したり。こういう古き良きRPGをあんまりやってこなかったので、新鮮に楽しめた。

シナリオはとても良かった。続きを読みたい、というのがゲームを進めるモチベーションになっていた。現代編のオーブリーさん周りの話が特に好きでした。

他、好きだったところ。リーダーチェンジ時のかわいいスチル。ケルくんのへにゃっとした表情。VSスイートハート戦のBGM。四人並んで自転車発電するシーン。

クリアした後もじわじわと好きになっていくタイプのゲームだな~と、サントラを聴きながら思ったりした。とても良いゲームでした。

BLACK SHEEP TOWN

https://blacksheeptown.com/

突然変異した人類、雑然とした街並み、血生臭い派閥争い。普通から外れてしまった人々を描く群像劇。

たくさんのキャラクターが登場し、そしてあっけなく死んでいく。この命が軽い世界観で、作中では様々な死生観が語られる。生命に価値は無く、生き様にこそ価値がある。人にはそれぞれ物語があり、それを追体験できるような作品だった。

A Dance of Fire and Ice

https://store.steampowered.com/app/977950/A_Dance_of_Fire_and_Ice

指一本でプレイできる、一本道の音ゲー。リズムに合わせて一つのボタンを押すだけのシンプルなゲームなのだけど、音楽のカッコよさ、音の小気味良さ、クリアしたときの達成感(丁度良い難易度)など、全体的に質が高いゲームだった。あまりにも面白く、3日で20時間くらいプレイして一気に全クリしてしまいました。

Vampire Survivors

https://store.steampowered.com/app/1794680/Vampire_Survivors

タワーディフェンス+ローグライク。スキルツリーを組みながら、次々と迫り来るモンスターを薙ぎ倒していくゲーム。プレイヤーはキャラの位置を動かすだけで、攻撃はオートでやってくれる。これもシンプルイズベストなゲームだと思った。

最終盤はもう画面が埋め尽くされるほどモンスターが湧いて出てくるのですが、それを派手なエフェクトでばったばったとまとめて討伐していくのが本当に気持ち良い。この脳が焼かれる感じ、パチンコとかの演出に近いものを感じたりした。




以下はエロゲです


ヘンタイ・プリズン

https://qruppo.com/products/henpri/

美少女ゲームブランド Qruppo によるビジュアルノベル第3作目。前作である『ぬきたし』については、第1作のみプレイ済み。

今作は舞台が孤島の監獄で、登場人物は受刑者と看守たち。全体的に暗めでダークな雰囲気がある。シナリオの内容としては、物語全体を通して、普通から逸脱した者たち、社会からドロップアウトしてしまった者たちの話をやっていた。この作品に出てくる登場人物たちは、皆どこか欠けているものがあり、そして欠けているゆえの魅力があった。

特に主人公の異質さは群を抜いており、なんというか、人間っぽくない思考回路をしている。哲学がはっきりしているからその思考回路が理解できないということは無いのだけど、隠しきれない歪さがあった。しかし、根本のところは素直そのもので行動原理が分かりやすく、そしてその行動原理は最後までブレることが無かった。感情移入はしにくいが、芯があり、真っすぐで、そういう点ではとても自分好みの主人公だった。

主人公以外のキャラクターも魅力的で、とにかくキャラクターに愛着を持たせるのが上手かった。発明だと思ったのは、テキストの裏で会話劇をやるやつ。それはテキストウィンドウに表示させるほどでもない些細な会話なのだけど、そのなんでもないやりとりの積み重ねによって愛着というのはわくもので。

あとはテキストがわりかし大人しめになっていた。前作と比べて、いわゆる過度な下ネタを含むテキストは控え目になっている。普段はちゃんとしたテキストで、日常シーンとかの合間にQruppo節を炸裂させる感じ。

シナリオも一転二転とツイストしていて読み応えあり。どのルートも最後が若干勢い任せなところはあったものの、キャラの魅力、演出力でカバーされていたと思う。そして、とにかく登場人物たちの会話劇が面白いゲームだった。プレイ時間は60時間くらい。大ボリューム、大満足でした。

関連:『ヘンタイ・プリズン』感想

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