良かった作品 2021
2021-01-11
# 良かった作品

2021年のよかった作品をまとめました。全38作品。

# 漫画

各作品の試し読みリンクを張っています。

潮が舞い子が舞い

https://mangacross.jp/comics/shiomai/1

群像劇の良いところが全部詰まった日常青春ギャグ漫画。くだらない会話の質感、屁理屈の応酬、ノリの良さ、おまけ程度の恋愛要素、時々ある感傷回、全てが良い。不条理ギャグと萌えの親和性。わけわからんくなって暴走するキャラたちが最高にかわいい。

月曜日の友達

https://yawaspi.com/tomodachi/comic/001_001.html

周りと上手く馴染めなかった二人の月曜日の夜の秘密の逢瀬。これだけでも100点なのですが、そこから始まる物語が本当に良かった。思春期の少年少女の心理描写、小説調のモノローグ、三者三様の兄弟関係。春夏秋冬で起承転結になっているのも綺麗だった。アニメ映画になって欲しい。

ブランクスペース

https://viewer.heros-web.com/episode/13933686331689971929

普通の女子高生が普通じゃない不思議な力を持った女子高生と出会うところから始まる、SFガール・ミーツ・ガール。

作者さんがツイッターで言っていた「青春モノ大好き人間(担当編集)と青春モノ大嫌い人間(自分)が、一緒に作ったらこうなった!という漫画」という表現がまさにその通りといった感じで、なんともアンビバレンスな魅力がある。作品そのものが破壊衝動が持っていると錯覚してしまいそうな、かなり切れ味がある漫画。

推しの子

https://tonarinoyj.jp/episode/13933686331626273051

いろんなジャンルが混ざった漫画なんですが、個人的にはアイドル業界を描いたお仕事漫画だと思っている。芸能業界の闇を暴いていく話、と書いたら何か安っぽくなってしまいますが、そういう感じの話を上手いことエンタメに包みつつ描いている。闇を暴くといっても、分かりやすい悪役を作って勧善懲悪をするということはなく、双方の視点から落としどころを探っていく感じ。

『かぐや様は告らせたい』でも思ったが、とにかくキャラが立っており何をやっても面白い。いまいち方向性が定まらないところはありますが、意図的に色々やっているのではという気もする。

最果てのソルテ

https://magcomi.com/episode/10834108156766408334

水上悟志の新作長編ファンタジー。シンプルにスタンダードに面白く、この安定感は本当にすごい。1巻の感想としては、これから冒険が始まるのだ、というワクワク感。これに尽きる。続きが楽しみ。

ひらやすみ

https://bigcomicbros.net/work/48647/

下町の平屋。人柄が良すぎるマイペースな29歳フリーター男と山形から上京してきた18歳の従姉妹の2人暮らしを描く日常漫画。

登場人物の良いところとイヤなところがバランスよく描かれていて、わりと曲者揃いなのだけど全てのキャラが愛おしい。

進撃の巨人

https://pocket.shonenmagazine.com/episode/13932016480029113127

完結したとのことで全巻買って読んだ。いや~、面白かった・・・・・・。最初から最後までずっと面白くて本当にすごい。

スイカ

https://afternoon.kodansha.co.jp/c/suika/

独特な空気感があるシュール系のオカルトギャグ漫画。主人公である関西人教師の流れるようなツッコミが小気味良い。

ドキュンサーガ

http://hasama.hippy.jp/dqn/

時系列が一気に進むタイプの現代ファンタジーのウェブ漫画。主人公最強という要素をうまく料理していて、面白いなろう小説を読んでいる時に近い感覚があった。

僕の妻は感情がない

https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF01201108010000_68

社畜リーマンと家事ロボットの異類婚姻譚。あるいは日常モノ。

1巻は丁寧すぎるほどに2人の関係性について描いていたので結構平坦な感じであったが、2巻がかなり良かった。登場人物が増えて世界が広がり、実際に人型ロボットが世に出たあとの社会、ルール、なども少しずつ描写されてゆく。

登場人物はみんな良い人なんだけど、優しすぎない、良くなりすぎないように書いている印象がある。ダメなところも言い訳せずにちゃんと書いている感じ。嘘っぽさが無いというか、この作中の雰囲気は何なんだろう。誠実さ?

うみそらかぜに花

https://www.shonengahosha.co.jp/book_Info.php?id=8690

海の見える街。夜には満点の星がいっぱいの片田舎を舞台とした叙情的思春期青春譚。1話から文化祭の話をやっているのが最高で、学校生活の良いところを全部詰め込んだような漫画だと思った。

主人公とヒロインであるカナメ君とアミさんの関係性が本当に良く、仲良しこよしすぎることもなく、いがみあいすぎることもなくというバランスが絶妙。そしてこの二人が両親の再婚によって同居しているということ、それを学校では隠してるということ、カナメ君が世話焼きなたちで朝弱いアミさんの髪を梳かすのが習慣になっていること……あまりにも良すぎます。

この漫画のいいところは日常の話および登場人物の描写にあると思っていて、そのアクセントとしてのゆる~い恋愛要素の加減がかなりちょうど良い。恋愛によって駆動する物語ではなく、というか2巻時点では主人公とヒロインの間にはいうほど恋愛感はなかったりする。ヒロインから主人公へちょっと気になる存在程度の矢印が伸びてるだけで、主人公視点だと手の焼ける妹ができたくらいの感覚っぽい。でもこの非対称な感じも良いですね。

ダービージョッキー

https://www.sukima.me/bv/t/satoBT0000387502free/v/1/s/1/p/0

騎手に焦点を当てた競馬漫画。競走馬は経済動物だと冷たく誠実に描きながらも、それでも人と馬の絆、人が馬を想う気持ちを熱く描き切っている。騎手に詳しくなれるのも良い。どうやって馬とわかり合っていくか、みたいな話が特に面白かった。好みとしては序盤~中盤あたりが一番良かった。

みどりのマキバオー

https://shonenjumpplus.com/episode/10833519556325022027

競馬を題材にしたギャグ漫画だと高を括っていたら、正真正銘の熱血スポーツものだった。皆が物語を背負っていて、一生に一度の舞台で勝負をする、絶対に負けられない思いがぶつかる。何度も泣いてしまった。

ハイパーインフレーション

https://shonenjumpplus.com/episode/13933686331749163174

魅力的な悪役がたくさんな、お金を軸とした知略バトルとシュールギャグが混在したハイパーおもしろウェブ漫画。話数が進むごとに面白くなっていき、2巻後半あたりからはさらにギアが上がった感がある。

これは好きな帯コメントです。

カネが、生命が、怒りが、暴力が、欲望が、『加速≒インフレ』し――物語はハイパーインフレーションを巻き起こす!!

雨でも晴れでも

https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM05201400010000_68/

『総合タワーリシチ』のあらた伊里先生の新作。今回もハイテンション百合コメディではあるのだけど、百合成分は前作よりも高め。 2ペア3組という構成も変わらずで、ニコイチ好きには天国のような作品となっている。

3組の話が並行に進むのでとにかくテンポ良く百合が供給される。行間で語る描写が多く、妄想の隙間がたくさんあるのが良いです。

きたない君がいちばんかわいい

https://www.amazon.co.jp/dp/B081DK4YW2

ダークな退廃的百合漫画。普段の平坦な日常描写をしっかりと時間をかけて描いているのが印象的で、それによって少しずつ道を踏み外して深みにハマっていく過程、徐々に壊れていく感じが上手いこと強調されている。

特に3巻終盤の展開が凄まじく、ここからようやく本編が始まるという宣言にも聞こえるタイトル回収が最高でした。

Dr.STONE

https://shonenjumpplus.com/episode/13932016480029012477

石器時代に戻ってしまった世界で1から科学文明を作っていく漫画。知的好奇心を推進力に物語が進んでいくのが気持ち良い。

ジャンプで連載されている少年漫画なので基本的にはギャグ多めでワイワイする感じなのだけど、決めるところはばっちりカッコいい画で決めてくる。巻が進むごとに登場人物も増えてきてちょっと大味になってきたものの、最新22巻がかなり面白かったので良かった。

虎鶫

https://magazine.yanmaga.jp/c/toratsugumi/

オジサン軍人と異形の少女が崩壊した日本を探検するやつ。崩壊の謎を追う題材が面白いのは勿論として、とにかくヒロインがかわいい漫画だった。片言でしか意思疎通ができないのが上手いこと効いていて、あんまり見ないタイプの可愛さがあった。

とにかく表情豊かでかわいいです
とにかく表情豊かでかわいいです

いじめるヤバイ奴

https://pocket.shonenmagazine.com/episode/10834108156633701443

異常バトル漫画。主人公に自分をいじめさせているヒロインという2人から始まって、そこから色んないじめっ子(異常者)、いじめられっ子(狂人)、正義のヒーロー(奇人)が加わってきてどんどんカオスになっていく。

序盤はかなり過激なことをやっていたのですが、徐々にギャグ方面に舵が切られていって気づいたころには完全なギャグ漫画になっていた。その過程で絵柄もゆるい感じになっていくのが面白い。もうわりとなんでもありな世界観になっているので、整合性とかリアリティとかを気にしないで面白さに特化できるのが強いな~と思った。

どういうこと?
どういうこと?

メインヒロインである白咲さんのキャラクター造形がこの作品の要になっていると思っており、マジで何を考えているのかが全く分からないんですが、逆にそれがミステリアスな魅力になっていたり、少しずつ分かりにくい主人公へのデレを見せてきたりして、なんとも不思議な可愛さがある。

最初は二人のいじめ描写がメインに据えられていたので割とハードなことをやっていたものの、キャラが増えて群像劇になってからはノルマ的にいじめ描写が消費されるようになり、もう最近はいじめと称したただのイチャつきになっています。

高校生家族

https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496485088943

いわゆる不条理ギャグ系のジャンプ漫画かと思いきや、王道青春部活ものになっていき、かつギャグも適度に差し込んでくるという、何か色々ある漫画。ギャグ回、部活回のループで無限に読める。

シンプルに家族が全員高校生になっているという前提が面白く、何度も声に出して笑ってしまった。ギャグ漫画の体でジャンプ王道要素をやっていくのが最高で、父親がバレー部に入るあたりから本当に面白いです。将棋部に入ることになった天才小学生妹のその後も気になりすぎる.....。

ニセモノの錬金術師

https://www.pixiv.net/artworks/79386585

pixivで連載されていたネーム漫画。第一部が完結済み。

とにかく面白かった。読み味としてはハンターハンターが一番近かったかもしれない。展開の予想のできなさというか、ウェブ連載のなんでもありなドライブ感、矢継ぎ早にイベントが発生して休む暇がない感じはチェンソーマンを思い出したりした。

誠実に物事を掘り下げていけばこれほど面白い物語ができるということに感動してしまった。世界の在り方が地に足ついていて、チートスキルは万能じゃないし、奇跡のように見えることにもちゃんとロジックがあったり。まず世界があり、そこでの物語が描かれている、みんな必死に生きている。それはモブを含むキャラクターたちの魅力に直接繋がっており、その切実さが物語の強度を上げていき、さらに面白くさせる、みたいな。

主人公と師匠の関係性が結構好きで、最初は主人公をいじめるところしか描写されなくて、その時はうわー悪い人だなと思っていたんだけど、でも主人公は師匠のことを悪く言いつつもどこか尊敬しているような感じで、その描写から、漫画で描かれていないところでいろいろなことがあって、実際はそこまで悪い仲では無いんだろうと想像できる。行間の作り方が上手いというところが多々あったように思う。読者の知らないところでも物語は生まれていている、世界が生きている、ということを感じることができるのが良かった。

ヒロインの一人であり、呪術師であるノラさんがかわいくてかっこよくて作中で一番好きなんですが、これまた面白いキャラ造形をしていて、まず第一に奴隷という身分がある。いわゆる異世界転生モノの奴隷というと主人の言うことを聞く従順なヒロインというキャラを思いつくが、ノラさんはそれに収まらず裏主人公と言っても差し支えないほど活躍する。主人公が好きで従順で、というテンプレートには沿っているが、従うのは契約があるからで、奴隷であることを受容しながら(というかむしろ利用しながら)基本的に自分の意思で行動してているのが良い。基本的にめっちゃ賢い人なんだけど、主人公が殺されたらその犯人を必ず呪い殺すという執念も良く(ここで彼女が呪術師であるということが本当に効いてくる)、ノラさんがそこまで主人公のことを強く想っていることもそれまでの話で分かりすぎるほどに納得できるのも良かった。


# 小説

Ank: a mirroring ape

https://www.amazon.co.jp/dp/B07XCKP8N9

一頭のチンパンジーによって引き起こされた京都大暴動から始まる、パニックホラー、進化分類学SF、ミステリー、様々なジャンルがごちゃまぜになったエンタメ小説。人類はどうやって言語を獲得したのか、何がわれわれに意識を獲得させたのか、ヒトをヒトたらしめているものは何か。

実際の学術研究結果に基づいて、これはこういうことだったら面白いんじゃない?を極限まで発展させた感じで、言ってしまえば机上の空論ではあるのだけど、これが最高に面白かった。

ゲームの王国

https://www.amazon.co.jp/dp/B0823TNQNY

舞台はポルポト政権下のカンボジア。ひとつでもルールを違反すると殺される、命を賭けたゲームのような現実。作品の軸となるのは、天童といわれるほどの思考力を有するムイタックと、他人の嘘を見抜く直感を持つソリヤ。この2人の少年少女の生涯を描いた歴史SF小説。

共産主義の功罪、相互監視、虐殺、腐敗政治、貧困、不正、不合理。描かれることは暗いことばかりなのだけど、強烈に惹きつけるものがありどんどん物語にのめり込んでしまう。終わり方が綺麗で、読後感は意外にも良かった。

祈る神の名を知らず、願う心の形も見えず、それでも月は夜空に昇る

https://www.amazon.co.jp/dp/B0971YLWFF

転生、最強主人公、最初からベタ惚れのヒロイン。というところから一転二転三転してどんどん面白くなっていくライトノベル作品。

主人公を多重人格にすることで複数ヒロインなのにハーレム要素が無かったり、ともすれば胸焼けしそうになるヒロイン⇒主人公への好意描写などを(おそらく故意的に)ギャグ調で書いていたり、最強主人公よりさらに強いキャラクターを用意してそもそもスケールがめちゃくちゃでかい話にしたりと、読んでいて全くストレスが無かった。

この作者さんの文章はどちらかというと難しい部類だと思っていて(独自用語がめちゃくちゃあるので)、理解するために一旦戻って繰り返し読んだりするのだけど、クライマックスなど最高潮に達した時の文章は独特のテンポ良い文体で流れるように読めてしまう。この気づくと物語に没入してしまう文章が凄かった。あとは台詞の応酬というか、特に相手に喧嘩売ってるときの舌戦が最高で、ヒートアップして優等生の仮面が剝がれて売り言葉に買い言葉で本音が漏れてしまうやつとかがとても良かった。

息吹

https://www.amazon.co.jp/dp/4152098996

テッド・チャンのSF短編集。それぞれの話で魅力的なSFガジェットが登場し、それがあるとどうなるかを追求することで物語が生成され、そしてラスト、結論、結末がどれも本当に良い。技術的な発想から生まれる倫理的な葛藤がストレートに分かりやすく描かれる。『予期される未来』『オムファロス』あたりが特に好きだった。

人間たちの話

https://www.amazon.co.jp/dp/B085TB617F

突飛でキャッチ―な設定が面白いSF短編集。「宇宙生命とのファースト・コンタクトは探査機による発見ではなく会議による認定だろう、という個人的確信にもとづいて書かれた宇宙生命SF」と銘打たれた表題作が特によかった。

時砂の王

https://www.amazon.co.jp/dp/B00GJMUKQW

小川一水によるタイムパラドックスSFで、時間遡行を絡めた宇宙生物との戦争を描いた作品。時系列がバラバラで入りが結構難しいが、全てが一本に繋がる終盤の怒涛の展開が見事だった。


# アニメ

少女☆歌劇 レヴュースタァライト

https://revuestarlight.com/

9人の舞台少女達が「レヴューオーディション」に参加して決闘するアニメ作品。演出がバチバチに決まっており、もうそれだけで100点というような作品だった。

最初から確固とした個我を持っている者、物語を通して新たな個我を獲得する者、登場人物全員に共通してどこか強欲なところがあり、それが自分勝手に見えることもあるんだけど、でもその姿がたまらなく光り輝いて見えてしまった。自らを貫き通すことの格好良さというか、それを口上を通して宣言するのもまた良い。星見純那さんの口上が特に好きです。

劇場版もとても良かった。とにかく演出で殴ってくる映画で、劇場の画面から放たれる質量熱量。大満足でした。

Sonny Boy

https://anime.shochiku.co.jp/sonny-boy/

2021年夏クールに放送していたオリアニ作品。1話で教室転移系の異世界ものかと思ったら、旅のラゴスみたいになっていった。

まず第一にとにかく画が良く、良かった。半分くらいは作画・アニメーションを目当てに視聴していたところがある。

ストーリーは短編連作系。内容はかなり難解で、わかるようなわからないような話も多かった。とはいえ最終回まで見るとちゃんとすべてが繋がっている感じはあり、作品としてとても綺麗に終わっていた。良いアニメでした。

ワッチャプリマジ!

https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/primagi/

プリパラ、プリチャンに続くプリティーシリーズの最新作。今期のアニメで今は5話まで放映されている。どうもストーリーに重きを置くような作品になりそうということで1話を見てみたら、これがめちゃくちゃ良かった。

気分屋で尊大で独りぼっちで寂しがりな素直になれないこじらせた魔法少女と、真っすぐで善良で包容力があり割とノリで生きてるけどここぞというところでちゃんと決めてくる格好良い正統派主人公。この二人がニコイチとして好きな要素があまりにも多すぎて、この関係性を女児アニメの文脈で見れるのが本当に嬉しい。4話中盤の展開は最高の最高だった...。

アイの歌声を聴かせて

https://ainouta.jp/

TLで話題になっていたのと、『イヴの時間』の監督の最新作と聞いて気になっていたアニメ映画。

本当に何も前情報をいれずに行ったので、実は前半の光属性な雰囲気にあまり乗れずソワソワしながら見ていた。まさか前半をまるごとフリに使っているとは思わなかった。見終わってから振り返ると、限られた時間でイベントを消化しなきゃいけなかった前半部分をミュージカル形式でぎゅっと圧縮したのはかなり上手かったな~と思う。

AIを人間と同じように扱う視座が良く、この映画を通して人間とAIの境界があいまいになっていく感じがあった。美術の授業で友達の絵を描こうという場面で、AI搭載ロボットであるシオンさんがお掃除ロボットの絵を描いてたのが妙に印象に残っており、ロボット間に仲間意識とかあったら萌えるな~みたいなことを思ったりした。

なんというか、こういう大衆向けの青春映画で真っ当に感動できることに安心した節がある。良い映画だった。


# ゲーム

CHAOS;CHILD

http://chaoschild.jp/

Steins;Gateが有名な『科学ADVシリーズ』第4作。今作のジャンルとしては群像劇ミステリー+サイコスリラー+時々能力バトルといった印象。

学園周辺で次々と発生する猟奇殺人事件。過去の事件になぞらえた法則に気づいた主人公たちが、その謎を追っていくという流れ。分かりやすく隠ぺいされている主人公とヒロイン達の過去。このゲーム、共通ルートが結構長くてテキスト量も多いんですが(30時間くらいかかった)、最後まで読み切れる程度のリーダビリティはあった。

ストーリー全体としては、9章終盤からがピークで、それ以降は掛け値無しにずっと面白かった。それに対して、序盤中盤の1~8章はテキストが長いのもあり結構きつかったかも。

とにかく主人公に厳しすぎる物語なので(多分10回以上は嘔吐描写があった)人を選ぶゲームだなとは思うものの、刺さる人にはぶっ刺さる作品だと思った。退屈な時間もあったものの、トータルで見ればプラスで、物語の結末もビターな感じで自分好みだったので良かった。なんというか、全てを読み終わってからキャラへの愛着がじわじわと湧き始めて、しみじみと良いゲームだったなあと実感する、そんな作品でした。

シロナガス島への帰還

https://tabinomichi.jp/shironagasu/

絶海の孤島『シロナガス島』を舞台としたミステリーアドベンチャーゲーム。クローズドサークルで次々と起こる不気味な事件。ホラーな要素はあるものの、ヒロインとのどたばた劇が良い感じに怖さを中和してくれる。

ヒロインの子が思った以上に可愛い。メカクレ長髪でおどおどしながらも気心しれた人には我を通す感じ。言葉遣いがまあまあ粗雑なのも刺さる要素だった。ゲームの内容も500円にしては大ボリュームで大満足。良いインディー感があるゲームだった。セーブはこまめにしたほうがよいです。

Inscryption

https://store.steampowered.com/app/1092790/Inscryption/?l=japanese

デッキ構築型ローグライクを基としたサイコロジカルホラー脱出ゲーム、みたいな感じに銘打たれている作品。どうやらすごい作品らしいぞということで購入してみたら、たしかにすごかった。実況動画で見るとかではなく、自分でプレイすることに意味があるゲームだと思った。良かったです。




以下はエロゲです


ドーナドーナ いっしょにわるいことをしよう

https://www.alicesoft.com/dohnadohna/

このゲームは主に以下の3つで構成されている。

  • 仲間を集めて悪の結社を打ち倒すまでのストーリー
  • 女衒シミュレーションでお金稼ぎ
  • ターン制PTバトルでダンジョン攻略

それぞれの要素はかなりシンプルなのですが、これらを調和させるゲームデザインが見事で、全体で見るとかなり面白いゲーム体験だった。

最初は主人公達はダークヒーロー的なポジションなのかなと思っていたけど、最初から最後までちゃんとした悪役をやっていた。主にやっていることは女衒、人狩り、テロ行為。「一緒に悪い事しよう」のタイトルに偽り無しです。各キャラの行動原理も正義のためとかそういうんじゃなくて、皆個人的な理由で動いてるのが良かった。

ヒロイン勢の中ではアンテナちゃんが一番好きだった。戦闘でも大活躍でした。「ギッタンバッコンなのである~!」が最高。初のアリスソフトだったけど、かなり良かった。戦国ランスとかも名作という噂を聞くし、いつかやってみたい。

アメイジング・グレイス

主人公は記憶を失いながらオーロラという壁に閉ざされた世界に辿り着く。舞台は学園で、授業は芸術のみ。放課後は全員が作品作りをしているという世界観で、現実の美術作品なども引用されており、物語にも関わってくる。

恋愛要素はおまけ程度で、メインはタイムリープものという感じだった(サブヒロインの正史√を選ばなくてもトゥルーエンドに辿り着けたりする)。プレイヤーが選択肢を選ぶことで物語が分岐するエロゲという媒体だからこそ出来るタイムリープSFで、かなり良いゲーム体験だった。

アメイジング・グレイス(大いなる恵み)というタイトルも本当に良くて、物語を通底するワードとして一本芯が通っており、エンディングで回収されたときにはかなり感慨深いものがあった。

はるまで、くるる

すみっこソフトによる『SF四季シリーズ』の第一作。予想以上にちゃんとしたSFをやっているエロゲだった。

閉鎖空間に記憶喪失状態で放置された人間はどのような行動を取るのか。自分の正体も、今が西暦何年なのかも分からない中で、登場人物たちは現場や状況から思い思いにこの世界の正体を考察するのだけど、その過程が二転三転するのが面白いな~と思った。

なつくもゆるる

すみっこソフトによる『SF四季シリーズ』の第2作。

前作に続いて、今作の登場人物もどこか頭のネジが外れた異彩あるキャラクターが揃っておりテキストを読むのが楽しい。表情差分がたくさん用意されており、浮き沈みする感情に合わせて表情がコロコロ変わるのが可愛くて良かった。狭霧紫穂さんのキャラ造形は天才のそれだと思う。

作中で語られるテーマは死滅回遊、捕食者と生態系、そして人類進化。生物は亜種を生み出す。それは理。それなら、どうして現生している人類はホモサピエンスだけなのか。進化には目的が無く、あるのは突然変異のみ。最高位捕食者となった人類は一体どのような進化を起こすのか。ラストも綺麗に終わって良かった。