『はるまで、くるる』感想
2021-09-23
# ノベルゲーム

すみっこソフトによる『SF四季シリーズ』の第一作。

9/24にシリーズ最終作が発売されるということでfanzaで半額セールをしており、前々から興味があったので購入した。プレイ時間は10時間ちょいくらい。予想していた10倍くらいガチSFでした。かなり面白かった。

あらすじ

逃げ場の無い孤島に記憶喪失状態で放置された主人公とヒロイン4人は、「3ヶ月後助けに来る」の書き置きだけを頼りに自給自足の生活を余儀なくされる。

奇妙な島での生活にも慣れてきたある日、ヒロインの1人がここをこの男のハーレムにすると宣言した。公式サイトに書かれるキャッチコピーは、

それは春の日のような、 甘くて果ての見えない、 悪夢と終末のハーレム

感想(ネタバレ無し)

序盤が鬼門と聞いてちょっと身構えたものの、結構惹かれる導入だった。いきなりハーレムが構築されるわけですが、ヒロインの心境として「自分以外の全員を殺してでも主人公と二人きりになりたいという思い」はあるらしい。しかもそれが比喩でもなんでもなくて、マジの殺人衝動を持っているような描写がされる。

いきなり殺人を仄めかしたりなんだか不穏なのも、明らかに異常な舞台設定もそそられる。自分の正体も、今が西暦何年なのかも分からない。観察者の存在を匂わせる描写から、閉鎖空間において記憶喪失状態で放置された人間はどのような行動を取るのか、という視点が生まれるのも面白い。

世界の謎の解明という大きなモチベーションがあり、止まることなくテキストを読み切ってしまった。登場人物たちが現場や状況から思い思いにこの世界の正体を考察するのだけど、その過程が二転三転するのも上手いな~と思った。

感想(ネタバレあり)

春√

潮の満ち引きが無いことで月が偽物であることを暴くのかっこよかった。普段はほんわかしてる人が実はめっちゃ頭が切れるみたいなの大好き。

ナチュラルな殺人衝動をもっているのはなんか結構珍しいキャラだな~と思った。ただ殺人衝動があるだけの普通の人間というキャラ造形。解決方法はまあまあ無理やりだったが、作中でそれは自覚的だったので狙い通りということなのだろうか。

秋√

この子が一番好きだったかも。作中で唯一常識人ポジだったからかもしれないが......。

前回の展開も合わせて名探偵の功罪みたいなのがテーマになるのかなと思いきや、もっと直接的に世界の謎暴きがメインだった。このあたりから面白さが加速していく。春⇒秋⇒冬でやったのは完全に正解だったなと思っていたがストーリーは選択肢によらず一本道だったっぽい。そりゃそうか。

冬√

ネタばらし編。予想以上にガチSFになってきてテンションが上がるも、高頻度で下ネタを挟んでくるのはいまいち没入しにくて嫌だった。良くも悪くもエロゲのテキストだな~という感じで、テキストのノリみたいなのは結構好きだったんだけども、如何せんシリアスとの食い合わせが悪く、メリハリがないというか、どっちも中途半端になっている印象があった。

夏√ (true)

ループ回数の桁がどんどん増えていく演出、ベタながら良いですね。みんなが少しずつ狂ってくシーンもっと見たかった。

挫折⇒再起のターンの描き方がシンプルながら丁寧で良い。残り365日になってからの一連の流れも最高でニコニコしてしまう。さながらボーナストラック。ラストの演出も好きで、白一面の画面に桜の花びらが一枚ひらりと散るところで作品のタイトルが思い浮かび、なるほどね~と膝を打つ訳です。

おわりに

クセのあるキャラが多いので人を選びそうではありますが、いや~面白かった。早速シリーズ次回作もやってみようと思います。楽しみだ~。