『いじめるヤバイ奴』 感想
2020-02-06
# 漫画

不穏なタイトルだな~と思いつつ読み進めてみたら異常おもしろバトル漫画だった。

仲島は、クラスで「いじめっ子」として君臨していた。いじめの対象は儚げな女の子・白咲さん。暴虐の限りを尽くし、毎日のように彼女はいたぶられた。その様子は明らかに何かが狂っていた。なぜ、彼は蛮行に及ぶのか。その実態は恐るべきものだった――

感想

マガポケで全話無料公開されていたので一気読みしてしまった。とにかく面白くて、119話時点でまだまだ底が見えずスピードが衰えていない。軽い感じでさくさく読めて止まらない漫画だった。こういうアプリ漫画ってあんまり読んだことが無かったんですが、個人サイトとかで公開されていた昔のウェブ漫画みたいな雰囲気を思い出した。

ヒロインに命令されて無理やりいじめさせられている主人公という2人から始まって、そこから色んないじめっ子(異常者)、いじめられっ子(狂人)、正義のヒーロー(奇人)が加わってきてどんどんカオスになっていく。ヤバイ奴らのバトルロワイヤルです。章ごとに舞台は変わって行くのですが、キャラは使い捨てずにちゃんと続投させて群像劇にしていく手腕が見事。田中とか加藤をあそこまで輝かせられるのすごい。

序盤はかなり過激なことをやっていたのですが、徐々にギャグ方面に舵が切られていって気づいたころには完全なギャグ漫画になっていた。その過程で絵柄もゆるい感じになっていくのが面白い。もうわりとなんでもありな世界観になっているので、整合性とかリアリティとかを気にしないで面白さに特化できるのが強いな~と思った。

主人公とヒロインの関係性

メインヒロインである白咲さんのキャラクター造形がこの作品の要になっていると思う。主人公と二人きりのときは得体の知れない狂人そのものなのに、学校では病弱っぽい不憫キャラ然と振舞っている。主人公をいじめて悦に浸る面と主人公に自分をいじめさせて喜ぶ面を持ち、かつ何を考えているのかが全く分からないという一点においてミステリアスな魅力が付与される。そして少しずつ分かりにくい主人公へのデレを見せてくる。このあざと~いいかにもなキャラが大好き・・・。

主人公も白咲さんを満足させるため、いじめ方の事前学習を欠かさない完全努力型のいじめっ子なのが良い。そんな主人公とヒロインの転倒した関係性にも普通に萌え萌えしてしまった。最初は二人のいじめ描写がメインに据えられていたので割とハードなことをやっていたものの、キャラが増えて群像劇になってからはノルマ的にいじめ描写が消費されるようになり、最終的にいじめと称したイチャつきになってるのがマジで良いです。本当に嬉しい。

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