『友達として大好き』感想
2020-01-24
# 漫画

単行本1巻を読みました。自分の好きな要素しかない漫画ですごかった。

ジャンルとしては男女のラブコメなんですが、キャラが一癖二癖ある。1話でいきなりヒロインの櫨(はせ)さんは主人公に一目惚れして体の関係を迫ろうとします。貞操観念のての字も無いような振る舞いをする彼女は、人の気持ちが分からなくてそのようなコミュニケーションしかとれなくなっていた。

対して主人公の高敷くんは規則第一でルールに厳格、不純異性交遊などもってのほかで、そんな櫨さんを忌避しようとする。それなら友達にならなってくれる?という話に転がり、高敷くんが放った苦し紛れの「1000個くらいの友達規則を守ってくれるなら」という言葉に予想以上に食いつかれ、2人が友達になるまでの話が始まる。

ぱっぱらぱーで自由気ままなギャルという櫨さんに対する第一印象は、話が進むにつれどんどん変わっていく。高敷くんの言う事は素直に受け入れ、どうやったら相手が喜ぶかを一生懸命考えて行動する様子は健気そのもので、高敷くんと友達になれるということでめちゃくちゃ嬉しくなってしまう人であることが分かってくる。

でも他人からすればそんなことは知るはずもなく、女子からは陰口を叩かれ、男子からはセクハラ紛いの絡みを受ける。高敷くんさえも最初は彼女を疑っていたが、付き纏われながらも一緒に時を過ごすうちに、彼女の人となりを理解していく。これは人の内面や気持ちなんて分かるわけないんだからコミュニケーションを、対話をして少しでも相手のことを知っていこうという話でもあると思っていて、ラブコメでこういう話をしてくれるのは本当に嬉しいな~と思います。

ラブコメ作品の最重要事項の1つ、主人公とヒロインが愛すべき2人であるということも十分すぎる程満たされている。高敷くんはクソ真面目ではあるが人の機微に敏感で他人に寄り添うことができる人で、櫨さんに友達規則を提示するときもそれをただ強制させるんじゃなくて、相手の価値観を認めたうえで僕もこういう価値観を持っているからこうしてほしいときちんと伝えるところが好きです。

櫨さんも表情豊かで破天荒で素直で欲望に正直で元気で健気でかわいくて、もう好きになる要素しかありません。最高の2人・・・。

両極端な2人が体当たりでコミュニケーションを交わし、互いの足りないところを補い合い、少しずつ軌道修正していく物語。2巻も楽しみです。

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