ダウナー系ツンデレ妹は最強 -『死神の接吻は別離の味』
2017-03-02
# ノベルゲーム

お久しぶりです。

エロゲ備忘録第2弾。実は裏では色々とプレイしているのですが、中々琴線に響く作品が無くモヤモヤしていたところでの、この作品でした。

エロゲって作品を楽しめることに個人の趣味嗜好がかなり影響されると思うんです。私個人の趣向としては、ガヤガヤワイワイした雰囲気の作品はニガテで、攻略ヒロインと主人公で二人だけの世界を構築してるシナリオが好きだったり...。この嗜好のせいであまりゆずソフト作品あたりが楽しめないのは辛い所。

その点この作品『死神の接吻は別離の味』は実に私好みの作品でありました。特に妹である雫√は最幸の一言。ダウナー系ツンデレより最強なキャラクター属性ってあるんでしょうかね。改めて考えてみたらダウナーツンデレなキャラって他に何も思いつかないんような...。この作品2009年に作られたモノなんですけど、時代を先取りしすぎではないか。ダウナーツンデレ流行らないかなあ。クーデレとはまた違う良さがあるのだ..。

実のところ私、雫√しかプレイしてないので以下はその素晴らしさについて語るのみです。彼女のシナリオが完璧すぎて満足してしまいもう他の子を攻略する気は起きなかった。元々二股かけてるみたいで複数√やるのがあまり好きでは無いという理由も少なからずありますが...。

閑話休題。とにかくこの雫√は『妹』という属性の強みを前面に前面に押し出したシナリオであったと思います。それに合わせたキャラクター造形も見事の一言です。親無しの二人暮らしという設定も最強。血は繋がっていない設定ですが、まあ実妹でも義妹でもどちらにしろ最高なので言う事なしです。

家で二人きりの間、妹が兄に対してずーっと小言でぐちぐち言っても、散々からかっても、全部好きの裏返しになっちゃうみたいなところがとても好き。確かな絆が築かれているので、いくらでもからかったりして甘えることができるんですよね。まあ例に漏れず実際はお兄ちゃん好き好きな妹な訳ですが、彼女は他の妹キャラとは一味違う。

兄がずっと想い続けている女性にかなわないと知っていながら、兄の気を惹き続けてしまう彼女の内心の葛藤が切なくて、そして尊いのだ。『甘えられなくても、同じ部屋にいて話をするだけでいい。』と嘯きながら、嫉妬や悲しさで枕を濡らす。なんというか、個人的にこういう報われないサブヒロインみたいな、薄幸キャラクターってとんでもない魅力を感じてしまうんですよね。実際彼女は報われるのですが、そのカタルシスといったらまあ筆舌には尽くせません。

一昔前のゲームなのでエロCGは枚数が少なく使いまわしも多かったけども、内容は言うこと無しでした。雑誌や友人からの知識で優越感に浸っていた妹が、いざ本番になると下手っぴで空回りしてしまい、お兄ちゃんに従えられるのが最高に萌える。事後はベッタベタに甘えてくるのも言わずもがな。

あとはタイトルに死神と冠されている通り、シナリオ中盤で妹が死神に近いうちに死ぬことを宣告される展開があるのですが、そのあたりの彼らの心理描写とかも素晴らしかったです。死の間際に立った彼女が零した『死を宣告されたおかげで、やり残したことや言い残してることに気づけたよ』あたりの台詞からずっと涙が止まりませんでした。用意したティッシュでなんとやらです。

結論、妹キャラは最強。以上最高の妹ゲー『死神の接吻は別離の味』の感想でした。

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