『素晴らしき日々』 所感
2016-12-23
# ノベルゲーム

こんばんは。 『素晴らしき日々』プレイし終わりました。

いやあ、思いっきり揺さぶられました。 本当に凄かった。気づいたら朝の5時でした。

とりあえず備忘録がてら、色々と思いつくままに雑記していこうと思います。だらだらと粗筋を書いてもしょうがないので、印象に残ったところだけピックアップする。

さて、まずTrue√について。 この√に関しては、私の中のヒロインは間違いなく羽咲だった。

よく羽咲√の名シーンとして皆守が師匠と戦う箇所が挙げられる。確かにここも最高に熱いし心の底から震えたものだが、やはり私は以下のセリフを推したい。

「避ければ避けるほど…絆が深くならないなんて…そんなのとも兄さんの勝手な思い込みだよ..」(第4章・羽咲)

個人的にはここが一番キた。無関係な羽咲を巻き込みたくない思いで、彼女を遠ざけていた皆守に、この台詞は刺さったことだろう。思いっきり彼に感情移入していた私にそれはもうグサグサでした。BGMもいい仕事をしていて、思わず息が漏れてしまった。 

もう1つ印象に残った羽咲の台詞がありまして。

「自分なんて必要の無い人間…有っても無くてもどちらでも良い様な人間…もし、そんな風に考えていたら」 「そんな自分を、世界ではじめて見つけてくれる人がいたら…」 「その人のために何だってすると思うよ…」 「必要とされなかった自分…そんな自分を愛してくれた人のためだったら、どんな事だってする…だって私がそうだもの…」(第6章・羽咲)

作中のキャラクターの殆どは、これに当てはまるんじゃなかろうか。 高島ざくろしかり、間宮卓司しかり。このどことなく不安定な危うい美しさが、この作品の魅力だと思う。

お次は3章分岐の高島ざくろ√について。 これは良かった。彼女が幸せに日常を歩んでいく様子を見て、こちらも幸せな気持ちになれた。

True√で地獄を見た後にプレイしたのでなおさら…。プロローグから彼女がお気に入りだったものであの仕打ちは本当に目も当てられなかった…。何もかもがグチャグチャになった世界でざくろが叫んだ「間宮くん!大好きです!」の台詞が、胸に刺さる。

あと、ざくろ√の音無彩名が良かった。「あなたは正しい選択をした」と優しくほほ笑む彼女を見て、True√でざくろを諫めていた音無彩名の思いが想像できたような気がする。

口上シーンはやはり燃えた。『それはな、わたしの……心意気だ!』が最高なんだ。

「文学は勝つための学問じゃなくて…負けないための学問だよ…」 「だから、私は戦える」(第3章・ざくろ) 

その後のこの台詞も好き。間宮からもらった勇気を正しい方向に向けた結果なのだ。 

そしてラスト、2章分岐の希実香√について。 事前からこの√がかなりの評価を集めているということは分かっていたので、この√は最後に満を持してプレイした。

プレイし終えてまず「ああ、成程…」と頭に浮かんだ。これは卑怯。こんなの最高に決まっている。この√こそが正史であると主張する人が後を絶たないのも頷ける。

こんなに美しく切ない投身があっていいのか。この√だけは2周目をプレイしてしまった。屋上で宇宙を目指すあたりからの流れが完璧すぎやしないか。2人が最後までプラトニックな関係だったというのもまた、この美しさの一因なのでしょう。

改めて最高に面白い作品でした。

twitter: @hukurouo < thank you !