『ボクのあしあと キミのゆくさき』感想
2022-8-21
# プロセカ

苦悩

奏はまふゆの心に響く歌を作り、まふゆもそれに応じる詩を書き上げた。少しずつ変わり始めるニーゴの皆を見ながら、瑞希は「ボクは、何も変わってないな」と一人呟く。どう変わりたいのだろう。自己開示できる自分に?

可愛い恰好をするようになって、少しは息をしやすくなったのかもしれなくて。ニーゴの暁山瑞希として振る舞うことはとても楽しくて。でも皆には隠し事をしていて、皆を騙している罪悪感は心にのしかかって。結局、生き辛さは何も変わってなさそうに見える。

なにもかもを話して、それでありのままを自分を受け入れてもらいたい。これは強く共感できることだ。誰しもが持つ思いだろうから。そして、全てを晒け出すというのはとても勇気がいることで。これもよく分かる。それゆえ、瑞希くんの苦悩は心に刺さる。

遭遇

街で偶然ニーゴとビビバスが邂逅。世間話の中で、絵名が杏に学校での瑞希がどんな感じかを聞いたとき、本当に心臓が止まるかと思ったな。こんな怖いことないよ。

この一件で、瑞希は自分の隠し事がニーゴの皆に知られたらどうなるだろうということを、これまで以上に意識するようになる。「バレたって別に、困るわけじゃない」と嘯くものの、それでも想像は止められず。

自分の隠し事を全部伝える。ニーゴのみんなは優しいから、きっと自分を受け入れてくれるはず。でも、今の空気が変わってしまう可能性もあって。そしてそれは不可逆で、今の心地よいニーゴの雰囲気には二度と戻らないかもしれなくて。

瑞希は一晩考えた結果、これまでと同じように振る舞うことに決める。「どんなに考えたって、結局、なるようにしかならないんだ」という諦めにも似た思考、よく分かる。逃げたっていい、立ち向かわなくてもいい。先延ばしにしたってよいのだ。

破綻

瑞希は努めて普段のように振る舞おうとするが、空元気というか、絵名に対する冗談もどこか上滑りしている感じが出てしまう。相手にとって自分がどう見えるかを考えながら会話をしているようで、会話の後「ボクは楽しかったんだよね」と自問する始末。

BADEND分岐入った?
BADEND分岐入った?

心身共に憔悴していく瑞希くん。でもこういうシナリオが、好きなんですよね...。

屋上

この思考、本当によく分かる。ちょっとした、ほんのちょっとしたギクシャクさ、些細な気遣い、配慮、そういった機微を瑞希は察してしまう。傷つけないよう、優しく接してくれているということが、分かりたくなくても分かってしまう。相手がそのような感情を持っていなくても、瑞希がそれを先入観で誤読してしまうこともあるかもしれない。

そして屋上で一人思い悩む瑞希を、東雲絵名が見つけるんですよ。定時制と全日制、同じ高校に通っている二人が唯一交わる夕方の屋上で。舞台は整えられた訳です。

しかし、

そう来たか
そう来たか

みずえなは永遠
みずえなは永遠

時間が良いほうに持っていってくれることもあるかもしれない
時間が良いほうに持っていってくれることもあるかもしれない

祈り
祈り

ということで、瑞希は自分の秘密を明かさず、告白を先送りにすることになる。それでも絵名の言葉は瑞希に届き、バッドエンドは回避された。正解か不正解かは分からずとも、絵名は瑞希を待つという道を選んだ。そしてそれは、瑞希の心の支えになるのだろう。

twitter: @hukurouo < thank you !